寺田則子先生(企業派遣)
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| 寺田則子先生 |
YAMASAでは国内外を問わず企業に日本語教師を派遣し、日本語授業を展開しています。今回は中国天津市にあるトヨタ自動車で教鞭をとる寺田先生に加藤企画部長がインタビューしました。
加藤:「久しぶりですね。8月に岡崎駅で見送って以来でしょ。」
寺田先生:「そうですね。お久しぶりです。あれ以降ずっと中国での授業を担当していますから。」
加:「夏に来た時には窓を開け放ってもまだ暑かったのに、冬は冬でとんでもなく寒くなりますね。教室には暖房がありますか?」
寺:「もちろんありますよ。でも実はやっとおととい使い始めたばかりなんです。中国の暖房って建物の中の暖気パイプの点検をしてから一斉に入れるので、その準備に結構時間が要るんです。もし点検が不十分で急に温かいお湯を循環させるとパイプが破裂して教室が水浸しになってしまいますから、寒くなっても『さあ』ってすぐには暖房が使えないんですよ。股引は授業の必須アイテムですよ。」
加:「他に何か変わったことはありましたか?」
寺:「一度停電になって、日が暮れて授業を打ち切ったことがありました。でも、夕日が落ちていく様子を日本語で表現したり、暗くなったら暗くなったで『暗過ぎて何も見えません』という文型の練習したりして面白かったですよ。あとはチョークの太さがバラバラだったり、すぐガリガリポキポキなるのもこちらならではかな。」
加:「あれ?ホワイトボードじゃなかったっけ?」
寺:「黒板に変わりました。『ホワイトボートは使い難いだろうから』って意味不明な理由で。久々にチョークの粉でゲホゲホです。」
加:「相変わらず擬音語擬態語が多いですね。職業病でしょうか、性格でしょうか・・・。」
寺:「私、擬態語多いですか?そういえば、大学時代、擬態語の研究したこともあったっけ。」
加:「ハイこれ、頼まれ物です。」
寺:「ありがとうございます!能力試験の過去問と車の広告とマンションの広告と、それからこれこれ、ヘカタログ!」
加:「問題集は分かるけど、他のものは授業でどう使うんですか?」
寺:「生徒は皆トヨタ自動車の社員さんたちだから、自分の製品が日本で売られている様子を日本語の広告で見せてあげたかったし、今『注文する』って項目を教えているので、値段、比較、形容詞、使い方は無限大ですよ。日本のものなら何でも工夫次第で教材になります。最近は外来語を教えているクラスもあるので、ヘアカタログなら『ロング』『ショート』など外来語がいっぱいだし、近々『美容院へ行く』ってのをロールプレイを交えてやります。」
加:「なるほどね。車のはトヨタの広告ばかり集めておいて良かった。マンションや車の値段を見たら皆驚くだろうね。」
寺:「そぅ〜ですねぇ・・・、でも中国でも高い物は日本並みかそれ以上に高いですよ。例えば天津でマンション買うとしたら1平米6万円ぐらい掛かります。それは床面積の値段だけ。家具も間仕切も窓も何も含まれません。それでも子供の進学に合わせて一家で良く引っ越すんですよ。学校のお昼休みに家に帰ってご飯を食べられる距離にって。」
加:「なかなか過保護ですね。まさか日本みたいに小学生が携帯電話持ってるとか?」
寺:「ありますよ。ぼちぼち持たせる家庭も出てきたって感じですが。私は持ってないですけど、市場の野菜売りのおばちゃんなら持ってますからね。」
加:「日本よりずっと高いのに携帯普及してますよねぇー!驚きました。」
寺:「天津にはモトローラがあるし、他の都市に較べれば天津なら携帯は安い方です。全体に物価が安いのでここは生活し易いですよ。」
加:「その他こちらの生活に関しては?」
寺:「中国に来ていつも感じることだけど、『これはこうじゃなきゃだめ!』と思わないようにしたら、楽しく授業したり、暮らしたりできるんじゃないかなと思います。もし日本のように思った通りにいかなくても、それをなんとか楽しいネタにするようにしています。それに、自分が中国人になった気持ちで日本語を見つめてみると、「ここがわからない」っていうのが見えてくるんですよ。」
加:「中国語での生活はいかがですか?」
寺:「何とかなります。そうそう聞いて下さい。この間マクドナルドで並んでた時、横入りしたおばちゃんがいたので中国語で喧嘩しちゃいました。『物を買うときには並べって学校で勉強しなかった?』って皮肉ったら喧嘩になってしまいました。アハハ。」
加:「他には何語を話せますか?」
寺:「インドネシア語とスペイン語がちょっと。」
加:「今までどんな外国へ行ったことがありますか?」
寺:「えぇーとですねぇ、ドイツ、オランダ、インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、アメリカ、インドぐらいかな。」
加:「本当に旅行好きなようですね。」
寺:「国や地方が違えば、また違った経験ができるところが楽しいですよね。」
加:「全く同感です。私も今回の出張で何か新しい経験を積んで帰りたいと思います。」
寺:「あ、あのぉー、ちょっと申し上げ難いんですが・・・。たった今ひとつ新しい経験をなさったと思います・・・。」
加:「はあ?えっ!?ま、まさか今食べた肉ってもしかして・・・。(動物の鳴き真似)」
寺:「うん。」