YAMASA言語文化研究所
学生ネットワーク 
Yamasa
センターホームページ

学生ネットワーク

作品投稿

ホームステイ


ニュースレター
バックナンバー
日本的出来事
学生紹介
職員紹介
ジャパンガイド
その他
写真館
ホームページ作品
Eメール
岡崎ガイド
オンライン学校

ご意見をお聞かせ下さい!
投書箱

YAMASA求人情報

前号 -

次号 -

目次

アサヒビール名古屋工場

アサヒビール名古屋工場
アクセスマップ

もしビールが無かったら、今頃いったいどのような世界になっていたでしょうか?大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際問題、ビール作りに必要な穀類を栽培するために、人類は遊牧生活を止めたとも言われているほどです。日本にビールが伝えられたのは、もちろんそれよりずっと後の話ですが、あっと言う間に定着し、年間消費量は、日本酒のそれをはるかにしのぐものです。

芝生で昼寝
芝生で昼寝
日本でのビールの消費量は膨大なもので、酒類全体の消費量の約7割がビールだといわれています。ビールの年間消費量は約670万キロリットルで、大瓶に換算すると100億本以上です。夏の風物詩という感が強かったビールも、しだいに年間を通して消費される傾向が強まり、日本の庶民生活にすっかりとけ込みました。今回は、5月19日のお客様感謝デーにアサヒビール名古屋工場を訪れましたので、そのレポートを含めて、ビールについて考えてみます。

幸せそう
幸せそう
明治中頃、日本のビール産業は生まれました。現在ビールの売上高NO1を誇るアサヒビール株式会社の元である朝日麦酒株式会社の前身、大阪麦酒会社も1889年(明治22年)に設立されました。そして、現在のアサヒビール吹田工場になる吹田村醸造所で生産されたアサヒビールが、1892年(明治25年)5月に初めて発売されました。今回訪れた名古屋工場が竣工したのは1973年のことで、これはもちろん、醸造所というより、近代的な生産ラインでおいしいビールを大量生産する大規模な工場です。名古屋工場の場所はアクセスマップの通りで、最寄りの新守山駅(JR中央本線)から工場入口まで、徒歩約10分です。

工場見学: 名古屋工場では、工場見学ツアーを行っています。事前に電話またはFAXで予約をする必要がありますが、専門のガイドさんが付いて、無料で工場内を見学できるようになっています。ツアー所要時間は、ビールの試飲(20分)を含んで、約90分です。案内受付時間は9:30am〜3:00pm。お問い合わせ・予約は、こちらまでどうぞ。
アサヒビール名古屋工場ご案内係 TEL: 052-792-8966, FAX: 052-792-8967
定休日は日、祝日、年末年始ですが、毎年5月のある日曜日には「お客様感謝デー」として、自由に見学できるように工場を開放しています。

もっと幸せそう
もっと幸せそう
良いビールを作るためには、まずは原料となる良質の大麦が必要です。工場見学の際には、原料のサンプルに実際に手で触れることができます。大麦は大きく2種類に分けられますが、その内の二条大麦がビールの原料に適しているといわれ、二条大麦から作ったビールはソフトな味わいになります。アサヒビールでも二条大麦を原料としてビールを製造しています。二条大麦は大粒で殻が薄く、タンパク質とでん粉を適度に含んでいます。まるまると太った粒の揃いの二条大麦を厳選して原料とすることで、さらにおいしいビールが作られます。

ビールの味にとって、原料となる大麦の質は非常に重要なポイントとなりますので、アサヒビールでは、様々な栽培条件のもとで大麦の成長を調べられるパイロットファームを所有管理しています。専門家たちによるそこでの研究の成果は品種改良に生かされ、種は契約農家に渡されて、自社専用の大麦を育てています。

大麦の他、水質もビールの味を大きく左右します。おいしいビールの原料として、無色透明、無味無臭の清水は欠かせません。残念ながら、工場の近くを流れる庄内川の水はとてもそれに適しているとはいえませんので、この工場では、遠方よりきれいな水をわざわざ運んできています。

工場へ向かう
工場へ向かう
名古屋空港も近い
名古屋空港も近い
乾杯!
乾杯!
巨大タンク
巨大タンク
家族で参加
家族で参加
ピクニック気分
ピクニック気分
ビールの仕込みには、大麦、水、そしてホップが必要です。ホップは多年生のつる植物で、細かく砕いた麦芽に温水を加えたものをろ過し、ホップを加えて煮沸すると甘い麦汁ができます。ホップはデリケートな植物で、土壌や気候に適不適があるため、良質のホップが収穫される地域は自ずと限定され、それがすなわち世界的なビールの名産地といわれる場所になっています(例:ドイツのハラタウ地方、チェコのザーツ地方)。日本国内で良質のホップが獲れる代表的な場所は、山形県、長野県、岩手県などです。ホップには雄株と雌株があり、雌株につく毬花で、受精していないものがビール作りに用いられます。毬花の中に含まれるルプリンという成分がビールに特有の香りと苦みを与え、製造過程で余分なたんぱく質を沈殿・分離し、ビールの泡立ちをよくします。ホップは、大きくアロマホップとビターホップの2種類に分けらます。ビターホップはその名の通り苦み成分を多く含んでおり、一方アロマホップは、苦みが穏やかでビールに上品な香りを与えます。

芝生でピクニック
芝生でピクニック
工場の敷地内に入ると、巨大なロータータンやマッシュタンが目に入ってきます。これらはあまり聞き慣れない言葉ですが、ビール製造過程で必要なろ過器のことで、漉すことによって甘い麦汁のみを取り出すことができるようになっています。ニュースレター『ジャパンガイド・国盛り酒の文化館』のところで日本酒の作り方について触れましたので、今回はビールの製造工程について、簡単にご説明しましょう。

まずは、麦汁を作る仕込から始まります。麦芽(モルト)を細かく砕いて温水を加え、よく撹拌して一定温度で一定時間かけて糖化させます。この過程をマッシングといい、麦芽に含まれる酵素の働きででん粉質分解が起こり、甘くて酸味があるものができます。これを行う容器がマッシュタンです。これをろ過し、ホップを加えて煮沸すると麦汁ができます。発酵前の麦汁は、甘い味がします。麦汁に酵母を加えて発酵させることにより、麦汁中の糖分がアルコールと炭酸ガスに分解され、苦味を呈するようになります。この過程を行う容器がロータータンです。この段階でできあがったものを若ビールと呼んでいます。若ビールは、低温でゆっくりと熟成させ、その間にオリが沈み、炭酸ガスが溶け込んでマイルドさと香りが生まれます。そしてマイクロフィルターを通してろ過すると、うまみ成分を残しながら酵母が完全に取り除かれたおいしいビールのできあがりです。

ジョンさんとおばあちゃん
ジョンさんとおばあちゃん
若ビールは、外の貯蔵タンクへ運ばれる前に、一旦温度を下げるため麦汁クーラーへと移されます。残念ながら、工場見学のコースには麦汁クーラーの見学は組み込まれていません。ここは非常に品質管理が厳しい段階で、今回工場見学に一緒に参加してくれたデービッド・フヴィオさんによると『原子力発電所よりスイッチが多い』ほど、複雑なコントロールが要求されるようです。従いまして、残念ですが一般の方が見学することはできなくなっています。工場内で働くには、試作ビールの官能試験を行っているこの部署が一番魅力的に見えますが、もちろんビールを口にする顔は真剣そのもので、パーティーのような雰囲気とはかけ離れたものです。

工場の建物の外に並ぶ巨大なタンクは、その大きさで見るものを圧倒するほどですが、この中で、直径わずか5〜10ミクロンの微細な酵母が、糖分をアルコールと炭酸ガスに分解して若ビールを作り出しています。アサヒビールでは、おいしいビール作りへのこだわりとして、ビールのブランド毎に異なった種類の酵母を使っています。アサヒビールはこうした研究と開発の積み重ね、そして斬新なマーケティング戦略で、長年日本国内のビールウ売上シェアNO1だったキリンビールを抜き、トップに立ちました。

巨大タンク
巨大タンク
タンク内でビールが熟成すると、一度フィルターで漉され、そして、缶、瓶、樽に詰められます。ビールを缶詰にする工程は全て自動化されており、1分間に数百缶という単位で次から次へと新しい缶ビールが作られていきます。この時缶に蓋をする機械からは蒸気が立ち上るように見えますが、実際はこれは熱によるものではなく、冷却によるものです。工場見学ではこの缶詰工程を見ることができますが、残念ながら、同時に瓶詰め・樽詰めの生産ラインを見ることはできません。工場見学のガイドさんの説明によりますと、瓶詰め工程も自動化され機械が行っていますが、こちらの工程には、瓶内に異物が混入してないか、そして瓶に詰められたビールの量は正しく一定になっているか、人が目で観察してチェックしているそうです。この作業は非常に集中力を必要とし、精神的に負担の大きな仕事ですので、作業者の方は20分おきに交代するそうです。

缶詰工程を過ぎるとすぐに、最後の箱詰め梱包工程にうつります。まるで、アメリカのアニメドラマ"Laverne and Shirley"を思わせる光景です。

巨大なベルトコンベアーが大量の製品を運び、品質管理のためにコンピューターが見張りの目をきかせた近代的な生産システムを見てまわってくると、喉が乾く方もいらっしゃるでしょう。もしかしたら、これがアサヒビール工場見学ツアーの最高の部分かも知れませんが、最後にビールの試飲タイムがあります。20分間飲み放題ですので、是非できたてのビールで乾いた喉を潤して下さい。

広報の方
広報の方
ビール工場に隣接して、ビアホールとテイスティングルームがあります。ここではアサヒビールの広報の方が様々な自社製品を勧めて下さいますので、どうぞ遠慮無くいろいろな味を試してみて下さい。アサヒグループではジュースやソフトドリンクも製造販売していますので、もちろんビール以外に、ノンアルコール飲料も数々揃っています。ギフトショップもありますので、気に入ったビールがあれば、お土産に買って帰ることもできます。

前述のご案内の通り、日曜祝日と年末年始以外、予約をすれば工場見学をすることができます。しかし折角ですから、1年に1度毎年5月中旬の日曜日に開催される『お客様感謝デー』の時に訪れることをお勧めします。この日には、家族連れも含めてたくさんの人々が訪れ、無料のビールを楽しんだ後、芝生でピクニック気分を味わったり、昼寝をしたり、中には泥酔して倒れてしまう人もいますが、お祭り気分を楽しく十分に味わうことができます。

この『お客様感謝デー』には、特別な招待状も予約も何も必要ありません。誰でも気軽に参加することができます。是非この機会をお見逃し無く。

ビアホール   バー   くつろぐ   歩とデービッド
ビアホール
 
バー
 
くつろぐ
 
歩とデービッド
子供たち   路上で寝る   歩とデクラン   家族連れ
子供たち
 
路上で寝る
 
歩とデクラン
 
家族連れ

ごちそう様でした!
ごちそう様でした!
お問い合わせ/工場見学予約:

アサヒビール名古屋工場ご案内係 TEL: 052-792-8966, FAX: 052-792-8967
案内受付時間は9:30am〜3:00pm。

アクセス:

1-名古屋から:名古屋駅からJR中央本線に乗って、新守山駅で下車して下さい。料金は片道230円で、所要時間は約16分です。新守山駅から工場までは案内標識に従って歩けば簡単です。

2-岡崎から:まずはJR岡崎駅から快速に乗って金山駅へ行きます。そしてJR中央本線に乗り換え、同様に、新守山駅で下車します。この場合は、片道料金820円で、所要時間は金山駅での乗り換え時間を除いて約50分です。

前号 -

次号 -

目次




このサイトは、デクラン・マーフィーとYAMASAの学生、メディア工房のスタッフによって作製・管理されています。
© Yamasa