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目次

第15号 - 平成12年11月2日 (木)

内容

1. 編集者日記
2. 学生紹介:ダニエル・エーベリンさん(ドイツ、AIJPコース(就学生ビザ))
3. 日本的出来事:松茸狂奏曲


1. 編集者日記

時が経ち、そして自分がほとんど何も知らないことに気付く。日本語能力試験が近付けば近付くほど、「僕は漢字ぐらい、いくつか知ってるぞ」っていう暗示(?)がだんだんと揺らいで来ます。時が経ち、その間に学んだこともあります。最近時々自分でも驚くのですが、新しい文法が身に付いていたり、逆に理解したつもりで使っていた文法が間違っていて、もうそれを18ケ月も間違ったまま使っていたこともありました。"change"を日本語で何と言うのか訪ねた時、全く意地悪な嘘を教えてくれた韓国人の友達にも参ったものですが。幸運なことに、6週間後には別の友達から正しい意味を教えてもらいましたけど。

意外な新事実ですが、新しい物を好む日本人の傾向を今日理解しました。常々「変だなあ。」と思っていたことですが、日本では「新しい」は「金」にも匹敵するほど重要なことなのです。だから昨今流行りのリサイクルだって「ブーム」として説明がつくし、皆がリサイクルに飽きてしまったら(あるいは、リサイクルって、人が使った物をまた使うってことに気付いたら)、すぐに廃れて行くと思うのです。住宅だって同じです。中古の家に暮らす人は少ないし、家自体、まるで巨大な使い捨てのものにさえ思えて来ます。でも日本の伝統的な家は木や紙がたくさん使ってあって、なかなかいいものですよ。地震が来れば、すこぶる揺れるし。残念に思うけど、そうした伝統的な家はだんだん人気が無くなってしまいました。

多くの人が「家」じゃなくて、「住宅」を買います。つまり、木枠にコンクリートのボードを嵌めて作る大量生産型の箱です。清潔で見た目がいいですよ。ただ、昔の古い家に比べると、何か個性に欠ける気がするんだな。でも新しい住宅は結構長持ちしそうなので、それが分かって来れば、これからはたくさんの人が中古の家を買って住む様になるかも知れません。

新しい家は、野性味にも欠けます。私は豊橋近郊の古い古い家に住んでいますが、新しい高速道路建設に伴って来年10月には取り壊されるとはいえ、とても個性たっぷりの家です。実は、その家の玄関と台所に侵入してくる蟻どもと、夏からずっと格闘して来ました。以前、馬でも死にそうなぐらいたっぷりと薬を撒いたので、もうとっくに蟻どもは全滅したと思っていました。そんなことをすれば環境に優しくないのは分かっているし、蟻にも全く優しくないよね。そして今朝目が覚めた時、目を疑いました。床が辺り一面真っ黒で、一発大きなくしゃみが出て、それでやっと畳が見えたほどです。その光景が現実だと理解するまで、しばらく時間が必要でした。何と蟻の奴らが大挙して舞い戻って来やがったんです。寝ている所から50cmも離れていない畳の隙間から、次から次へと湧き出て来て、うじゃうじゃと群れて息苦しそうなほどの混雑ぶり。この部屋の冬の隙間風を体験すれば納得してもらえると思うけど、床はあちこち隙間だらけなので、蟻が入って来るのは分かります。でも、隙間で蟻が渋滞して押し合いへし合いしてるんですよ。午前6時、とてもじゃないけど何百万匹もの蟻をいちいち相手にしてる気分じゃなかったので、しかも急がないと援軍を呼ばれそうだったから、非情にも床に500gの殺虫剤爆弾を投下して僕は隣の部屋に避難しました。今日戻った時には、すっかり消えていてもらいたいものです。もしそうじゃなかったら、ホームステイ先を探すつもりです。その時は「住宅」でもいいですから。魂が抜けたような部屋でもOKです。もし寝室に野生生物が出没しないのなら。

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